日本経済新聞は毎週日曜日、国内外の重要なテーマについて各界の論客の意見を紹介する「創論・時論」を掲載しています。これにあわせて電子版では読者アンケートを実施しています。
今回の質問は（１）あなたの会社は今春、ベースアップ（ベア）を実施し、毎月の給料が増えると思うか（２）もし今春に給料が上がったら、それをどのように使おうと思うか――です。皆さんの
ご意見をお聞かせください。選択肢にない回答などもコメント欄で受け付けます。

　春の労使交渉のシーズンが近づいてきました。過去５年は世界金融危機や厳しい円高もあって、経営側の姿勢は極めて厳しかったのですが、今回は様子が違います。安倍晋三首相の
経済政策「アベノミクス」によって株価が上がり、行き過ぎた円高も是正されたことで、輸出企業を中心に企業業績が上向いています。

　さらにデフレ脱却をめざす安倍政権が企業に対して賃上げを求めているのも、働く人にとっては朗報です。経団連も賃金水準を底上げするベースアップ（ベア）を容認する方針を６年ぶりに打ち出しました。

　ただ、個別企業の経営者に話を聞くと、ベースアップに慎重な人もまだまだ多いのが実情です。「一度賃金水準を上げると、引き下げるのは難しい」「すでに国際的にみてかなり高い水準の
給料を払っている」などが主な理由です。こうした企業も社員への還元の必要性は感じていますが、その場合はベアではなく、一時金（ボーナス）の引き上げという形が多くなるでしょう。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGH1600P_W4A110C1000000/?dg=1