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発言者を特定して処分してほしい―。東京都議会のセクハラやじ問題の発覚後、インターネットの署名サイトでは、署名が５日間で９万人を超えた。
鈴木章浩都議（５１）＝自民党都議団を離脱＝が謝罪した２３日に締め切られたが、批判と憤りのコメントは増え続けている。

　「もう子供なんか産まない」。発起人となった男性（３２）の妻は、やじが飛ばされた翌日の１９日朝、テレビのニュースで「早く結婚しろ」などの発言を聞いて怒り、
こう言い放った。男性の仕事はフリーの翻訳業。晩婚だった年上の妻も保育士として働くが、不安定な収入の中では「子育てがしたいという夢はまだ実現できない」。

　結婚や出産は、望んでもかなわない人やもともと望まない人もいる。男性は「自分たちのような思いの人は他にもたくさんいるはず。妻に絶望してほしくない」と署名を募った思いを語った。

　当初は５千人分ぐらいが集まればいいと考えていた署名だが、翌２０日には約４万２千人分を自民党都議団へ届けることができた。その後も増え続け、賛同者は約９万１千人分に上った。

　「こういうことは絶対に許されないということを印象づけることができた」。鈴木都議の謝罪を区切りに署名は締め切った。議会や政党の自浄作用を期待したが、
「産めないのか」などのやじについては、発言者が特定できておらず、鈴木都議が辞職しなかったことにも不満が残る。

　都議会は２５日、発言者が名乗り出るよう求める決議案を否決。真相は解明されないまま幕が引かれることになった。男性は「処分は最終的なゴールではない。
これだけの署名が集まったことが第一歩。女性が本当に生きやすい社会の仕組みをつくるために前進してほしい」と訴えた。

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/06/25/kiji/K20140625008441570.html